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【Ask a chef】 Parisと河岸、大森シェフの表現する唯一無二のTOYO Tokyo

パリ6区『Restaurant TOYO(レストラン トヨ)』。

西洋と東洋を融合させた、オーナーシェフ・中山豊光氏のつくる唯一無二の料理を求めて、パリのみならず世界中の食いしん坊が集まるレストラン。

そのTOYOが、昨年東京ミッドタウン日比谷にオープンさせた東京店『Restaurant TOYO Tokyo』を任されているのが大森雄哉シェフだ。

中山シェフのもとで経験を積んだパリとは環境も食材も異なる東京で、TOYOの世界観を日々どのように表現しているのだろうか。

 

「市場仕入れは、前日夜の予約帳確認からはじまります」

ディナー営業後、大森シェフはきれいに片付けられたカウンターで、予約帳で翌日の予約のお客様を確認することが日課となっている。

TOYOではコース料理を基本としつつも、市場での食材との出逢いや、お客様の顔を思い浮かべて、料理にアレンジを加えることも少なくない。

「その日の気候やお客様のご希望など、あらゆる視点から最良の美味しさを届けたい、そのためには日々の仕入れは要中の要。誰にも任せることなく自分の足と目で行うのが最善最短の方法だ」と言う。

その考えは、同じく市場での仕入れから一日を始めるパリ本店、中山シェフの「カウンターの中からお客様の声に常に耳をかたむけている」、「お客様の求めていることを常に考え、最良の時間を創り上げていきたい」という姿勢と哲学に通じるところがある。

また大森シェフには、背中を見てきたもう一人の師匠がいるという。

全国からファンが訪れる熊本の名店、『洋食の店橋本』のオーナー橋本民雄シェフだ。

橋本シェフが作り出すのは、東京やスイス、ドイツでの経験をベースにした本格的な欧風料理でありながら、橋本シェフの故郷熊本の四季折々、旬の食材をメニューに取り込み、お客様を喜ばせているのも特徴だ。

「その日の食材はその日の仕入れ」、今なお市場に通い続ける橋本シェフのもとでの経験も、大森シェフの根幹となっていることは間違いない。

大森シェフを支える市場のプロ

魚介をふんだんに楽しめるフレンチというのもTOYO Tokyoの特徴のひとつであるが、その魚介メニューを支えているのは豊洲市場のプロたちだ。

洋食の店橋本のほか、長崎ハウステンボスなど、海の幸豊富な地域で腕を磨いてきた大森シェフにとって、魚介の扱いに際し何物にも代えがたいのが鮮度だ。東京という地では、熊本や長崎と同じような鮮度とタイミングで魚介を手に入れることは容易ではない。一方で全国からこれでもかというほどの素晴らしい魚介が集まるのが東京・豊洲市場だという。

全国各地の漁場のリアルな情報をもとに働く市場のプロたちとの会話から、メニューを発案することもあるそうだ。

変わらないスタイルから表現される河岸のエッセンス

料理人が10人いれば10通り以上の様々な仕入れ方法がある中、大森シェフはこれまでと変わらず、自然のうつろいとともに食材の景色が変わる豊洲市場で日々自分の目も鍛えながら仕入れをするというのが彼のアプローチだ。TOYO Tokyoが店を構える東京・日比谷から目と鼻の先にある豊洲市場は大森シェフの料理への思いを形にするために無くてはならない大切なパートナー、誤解を恐れず言うならば、大森シェフの創り出すTOYO Tokyoの料理は河岸のフレンチと表現してよいのかもしれない。

TOYO Tokyoには、何度訪れても初めてのようなわくわくとした感覚を五感に訴えかけてくる不思議さがある。人間の脳は何事にも必ず慣れと飽きが来るようにできている、と物の本で読んだ記憶があるが、四季のうつろいとともに表現される彼の料理を前にすると、浮気する日が来ることが全く想像できないでいる。

聞き手

奥田ここ/プロフィール
外資系コンサルティング会社に勤めるかたわら懐石料理を学び、2007年に近茶流講師の許状を取得。またイタリア滞在中に、素材を活かしたシンプルな家庭料理の素晴らしさも学ぶ。
かつての築地市場や現在の豊洲市場をはじめ、世界各地の市場を師と仰ぎ、旬の食材を中心にした「和食」及び「イタリア家庭料理」の料理教室を主宰するほか、国内外での出張教室や外国人向け料理教室なども要望に応じて開催。
また、各種媒体・広告へのレシピ提供や国内外での出張料理、食材産地での取材、食に関する企画・執筆にも取り組む。素材の味を大切にし、無駄なく使い切る献立作りを心掛けている。
Web site: https://kokookuda.com/
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