私たちの取り組み
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職人が職人として、働き続けられるモデルを作る
■職人を支えるECキッチン立上げファンド
当社では、「職人が職人として働き続けられるモデルを作る」という事業目的で
さらに女性の活躍推進のほか、次に掲げるコンセプトをもとにECキッチンを立上げるため
マイクロ投資のプラットフォーム ”セキュリテ”にて、ファンドを組成しております。
1.職人として持続が可能なワークスタイルを作る
2.オンライン、テイクアウト、デリバリー用の設備を持ち、現代の多様な食のニーズへ対応する
3.ママさんシェフ、パティシエのセカンドキャリア形成の場を作る
https://www.securite.jp/fund/detail/7569
■当社のSDGsへの取り組み
当社が設立したキッチン、「Orange BASE」は、「職人の可能性を高める持続可能な”レストラン”の形」の第一歩です。
従来の飲食店事業以外の形態においても職人とお客さまの接点を作り、多様な職人がそれぞれの価値を最大限に活かして成長・活躍できる場となることを目指しています。
とりわけ、勤務・雇用形態の多様化等を通じて女性の職人が活躍できる場を増やすことは、現状出産等によって仕事を辞めざるをえない女性の職人たちが自分らしく力を発揮できるようになることにつながります。
また、このほかにも食育、地域創生などを目的とした”KYUKON WAGYU”プロジェクトを推進しております。
■職人が職人として働き続けるために
フランス語で芸術家を意味する「artiste」と「職人」を意味する「artisan」という言葉があります。
中世で両者は「arts(技術)」をもつ技術者として同様に扱われており、階級社会が崩れた現代では、職人のなかにも芸術性が存在することが主張されるようになったそうです。
TOYO JAPANでは、料理人のことを『職人』と呼んでいます。
代表の阿部の「毎日ひたむきにコツコツと、情熱をもって打ち込み続けられるのは貴重な才能である」という考えに基づいており、所属している料理人は技術と努力を積み重ねられる『職人』であると捉えているためです。
そんな『職人』の育成の場であり、彼ら職人が生き生きと働ける環境の提供を日々考えて事業を行っています。
■若き職人の育成
昨今は少子化が進み、子どもの絶対数が少なくなっていることもあり、料理人のなり手は少なくなっています。
料理人に適性の高い若者が料理人を目指してTOYO JAPANへ入社してくれたのであれば、その才能を伸ばして『自立した職人』になるまで育成を行うのが、今後の事業の継続・成長に欠かせない要素であると考えています。
TOYO JAPANは、若き料理人の技と内面(精神)、他にも必要な知識や手腕を磨き、自立した職人へと育てられる企業となることを目指しています。
22年2月よりRestaurant TOYO Tokyoのシェフに就任した丸山和孝は30歳。パリのRestaurant TOYOのオーナーシェフ中山豊光氏に師事し、2018年3月、東京店の開業から参画。
丸山シェフのインタビュー:料理人と経営、2つの視点で目指したい新しいシェフ像
■職人×マーケティング×ビジネス
TOYO JAPANが考える職人の育成とは、料理人に対して技術や精神的な成長を促すだけではありません。
雇用する企業として、調理現場以外でできることを行い、職人のための環境を整備します。
未来の職人は、マーケティングも理解し、ビジネスの事業構造そのものも理解することが出来ないと、生き残っていけません。TOYO JAPANはそういった事も踏まえて、新しい職人の育成をしていきます。
現在、世の中には安価なものから高価なものまで美味しい食が溢れ、「どっちが美味しいか」という単純なものではなくなってきています。
その背景にあるストーリーや、意味のある消費が大切だと思います。
お客様に職人のファンとなっていただくために、ネットとリアルの両面から職人一人ひとりにフォーカスした情報の拡散を行います。
『職人』をテーマとして、職人一人ひとりの料理哲学や人生の起点について、レストランのブログやSNS、店舗やオンライン、テイクアウトデリバリー事業を通じて発信し、職人のストーリーを発信します。
料理の味はもちろんのこと、職人のバックボーンを知ることで「食べにいってみたい」「この人に共感した」といったお客様と店舗、職人を繋ぎます。
将来的には、店舗と職人、オンライン事業、SNSなど、様々な場所から情報にアクセスできるオムニチャンネルを作りたいと考えています。
コロナにより、リアル店舗の意義も変化してきました。職人を通じて、「食の価値」「食の素晴らしさ」を体験してもらうのが目標です。
■専用の設備と気持ちよく料理ができる環境をつくる
職人を育成するために企業ができること
「職人が、職人であるという矜持を持って職人を続けながら生きていける環境を作る」というのがTOYOJAPANの大きなテーマです。
それは、これまで職人として料理に打ち込んできた人が、結婚や子どもができたこと等をきっかけに、安定を求めてチェーン店や他業種へ転職する、ということがたくさん起きているためです。」
阿部
「これまで職人として腕を磨いてきたのに、純粋に勿体ないと思いました。
安定を求めるのは全く悪いことではありませんが、職人として、職人のまま安定した暮らしをできるとしたら、続けたい方も多いはずです。
この2年ほどはコロナ禍もあり、飲食店をメイン事業とする多くの企業にとって試練の期間となっています。
TOYO JAPANも、職人の安定した雇用を続けるために、新しい道を作らなければなりませんでした。
そのために私たちは、店舗で食べられる料理と同じく、職人が作る料理をお届けする、オンライン事業を開始することにしました。」
▲事業展開イメージ
▲Orange BASEのキッチン
▲設備
瞬間冷凍機のブラストチラーや、プレハブ冷蔵、冷凍庫、アイスクリーム室、肉加工室なども設えている。
図面上部が、「Orange BASE」のキッチンで、下部半分は併設している「焼肉 きゅうこん」の店舗。
▲きゅうこん
Orange BASEの隣には、「焼肉 きゅうこん」という焼肉屋を2022年5月27日に開店しました。
熊本の牧場と提携し、牛肉の6次産業化を実現する店舗です。
・きゅうこんHP
・開業のリリース
阿部
「今回のオンライン、テイクアウト、デリバリー事業のキッチンは『Orange BASE』といいます。
店舗の居抜きなどを利用するものではなく、フレンチの職人達が設計をして、オンライン、テイクアウト、デリバリー商品用に調理がしやすい導線をつくり、設備も新設します。場所も都内の通いやすい目黒駅周辺になります。
Orange BASEは、普段レストラン(Restaurant TOYO Tokyo)で働いているシェフが、予約の状況に応じて流動的に働いたり、ママさんパティシエ・シェフのセカンドキャリア形成の場としても活躍します。
また、しっかりとした設備の中で仕事ができることは、自分が『職人である』というプライドをしっかりと育て、守ることができると考えています。」
▲Restaurant TOYO Tokyoで提供している料理
■ママさんパティシエ・シェフのセカンドキャリア形成
子育てと両立しながら現場へ復帰
▲パティシエールの塩崎桂子 氏
現在、TOYO JAPANでは実際に、子育てと職人を両立するママさんパティシエールの塩崎桂子氏が勤務しています。
かつて長崎県佐世保市のハウステンボスホテルのパティシエとして勤務し、ノルマンディー地方を代表するパティスリーレイナルドにて研修を行った経験もある塩崎氏。
しかし、女性パティシエや女性シェフは結婚や出産を期に引退することも多く、塩崎氏も結婚を機に料理の道から一度は離れました。
母となったパティシエは、育児がひと段落して仕事へ復帰する場合、全く別の職業に就くことが多いといいます。
塩崎氏は、現場を離れてから4年ぶりにRestaurant TOYO Tokyoからの依頼で現場復帰し、現在も育児をしながらパティシエを続けています。
詳しいお話はぜひこちらのインタビューページをご覧ください。
最初は週末2日のみ、昼営業後から夕方にかけての勤務でした。
当時Restaurant TOYO Tokyoのシェフを務めていた大森氏は、料理の完成度を一切妥協しない職人でした。
デザートを担当していた塩崎氏に対しても同様で、試作が合格ラインに達していなければ翌週また試作を作り、必ず合格点を超えるデザートを完成させていました。
現在も妥協のないこだわりによって店舗の料理は常に高いクオリティを保っています。
▲塩崎氏が作った『八女茶のチーズケーキ』(TOYO onlineで販売中)
■ママさんパティシエ・シェフが現場復帰できるロールモデルを確立
TOYO JAPANは、塩崎氏のように現場復帰する女性パティシエを増やすためにも「多様な働き方ができる場所」であるOrange BASE事業を成功させて、ママさんとなったパティシエ・シェフのセカンドキャリア形成ロールモデルを作ろうとしています。結果として、オンラインの事業は塩崎氏が居てくれたから取組めた事業になりました。
出産後の仕事に対する不安を払拭することにも繋がり、TOYO JAPANと職人の双方にとってプラスの効果が見込めます。
若い職人の育成と、女性が子育てをしながら職人として働ける環境は、少子化が進むこれからの日本で、継続的に飲食店を続けていくために必要なものです。